Q1:CCB工法による設計は、一般の設計事務所で採用しても問題ありませんか?
A:設計性能上の変更はないので、問題ありません。
Q2:CCB工法を採用した際、特許等によるコストが別途発生しますか?
A:設計段階において、特許等によるコストは発生しません。しかし、施工段階においては、CCB工法協会に入会(正会員もしくは限定会員)して頂くこととなりますので、コストが発生します。なお、設計図書の特記仕様書には、CCB工法協会の会員で施工することを明記して頂く必要があります。
Q3:CCB工法を採用した建物で、適判対応となった場合、協会にバックアップして頂くことは可能ですか?
A:設計性能上の変更がない工法ですので、建築技術性能証明 評価概要報告書(以下、評価書と称す。)にて、原則設計者で対応いただくこととなります。
Q4:技術提案案件への提案項目として、提出は可能ですか?
A:本工法協会に入会された設計者、施工者(正会員に限る)であれば可能です。
Q5:本工法を採用した場合のコストはどの程度ですか?
A:入会案内に記載の入会金と年会費が必要です。また、適用作業所においては、誘発材(太径鉄筋)の材工費用および固定ジグの費用が必要です。
Q6:固定ジグの価格は?
A:現在はハンドメイドによる受注生産品のため、発注ロットによって異なります。壁厚や数量によってコストが変わりますが、平均的に300~400円/本程度です。なお、固定ジグ費用に別途郵送費用がかかります。
Q7:固定ジグはどこで買えばいいの?
A:岡部株式会社(担当者:中嶋)TEL 06-6310-6801 FAX 06-6310-6802へ注文いただき、全国へ発送しています。注文日から到着日まで2週間程度を見込んで下さい。
Q8:他の固定ジグを使った場合はどうなるの?
A:施工会社が協会からの退会処分となります。
Q9:追加で評価書を買うことはできますか?
A:CCB工法 2000円/冊,CCB-NAC工法 5000円/冊,PRS工法5000円/冊 (郵送料別)で購入できます。詳しくは協会HPお問合せフォームまで。
Q10:○○市より入札公告の出ている物件で「○○橋補修工事」という工事にCCB工法と指定された工種があるのですが、貴協会で見積りは可能ですか。
A:「○○橋補修工事」にCCB工法と指定された工種があることから、ファインセラミック製の定着体をせん断補強鉄筋に取り付けた後施工セラミック定着型せん断補強鉄筋「セラミックキャップバー(CCb)」工法のことではないでしょうか?
これは、カジマ・リノベイト株式会社の工法です。
CCB(Crack Control Bar)工法とは、鉄筋コンクリート壁に生じる収縮ひび割れの発生位置を制御する工法です。大変申し訳ございませんが、当協会で見積りは出来ません。
Q11:壁厚について、全壁厚を壁厚として扱ってもいいのでしょうか?
A:CCB工法は、全壁厚から目地深さを引いた厚みを構造壁厚としています。また、評価書では、構造壁厚を180mm(EW18)以上と規定しています。それ以下の壁厚でも、あき寸法やかぶりが確保できる場合は、構造耐力上の問題はないと考えられますので、監理者で判断して頂ければ幸いです。
Q12:欠き込み目地は、壁両面に必要でしょうか?
A:欠き込み目地は、耐久性上のシール処理を容易とするため、目地内にひび割れを確実に誘導する目的で設置しています。評価書では、目地の無い壁の内部に誘発材(異形鉄筋)を設置しても構造耐力上の問題がないことを証明していますので、欠き込み目地の設置が必須条件ではありません。よって、片面のふかし部分のみに目地を設置した場合でも問題はありません。
Q13:欠き込み目地の設置位置について、柱際から1.5m以内に誘発目地を設け、柱際には設けない場合、本工法に従っていると考えていいのでしょうか?
A:原則、柱際に目地を設けるよう講習会等で指導していますが、必須条件ではありません。マンション戸境壁などの場合は、柱入隅部分はGLボードなどの仕上げ材で隠蔽されますが、1階立体駐車場耐震壁などの内壁の場合は柱入隅部分が化粧として現れてきますので、目地を設置してシール処理されることをお薦めいたします。以上のことから、部位毎の仕上げ材の仕様によって、目地設置の有無を判断頂ければ幸いです。
Q14:収縮ひび割れ防止筋と誘発鉄筋は目的が異なるので、そのまま共存させるのが正しいのか、それとも収縮ひび割れ防止筋は誘発目地部でのひび割れを阻害するので、誘発鉄筋とは共存させないのか、どちらが正しいのですか?また、実施例と効果は?
A:一般に、耐震壁のひび割れ防止筋として、以下の対策が設計図書に記載されています。対象部位:最下階および最上階の2層ずつ程度
1.斜め筋による補強(5-D10など)・・・問題点:鉄筋のあきが確保できるか?
2.横筋による補強(h/2・横筋のみ@100以下)・・・問題点:鉄筋量が増えるが大丈夫?
3.メッシュ筋による補強(φ3.2×100×100)・・・問題点:かぶり厚が確保できるか?
コンクリートの充填性を考慮した場合、上記2もしくは3の補強筋を、CCB目地を避けて配置するのが最も現実的と考えられます。実施例では、CCB目地とメッシュ筋を併用することが多く、万一目地以外にひび割れが生じた場合でも、最大幅を抑制できることが確認されています。
Q15:地下外壁にCCB工法を使用してのトラブルは?
A:これまでに問題が発生したことはありません。あらかじめ、目地部の山留壁側に縦方向に止水板(スパンシールなど)を設置するように指導しています。これによって、目地部がひび割れても浸水を未然に防止でき、目地以外の部分はコンクリートで止水するという考えになります。一方、外部の目地にはシーリング材を充填しますので、ランダムにひび割れが生じるよりは、ひび割れを目地内に集約し、そこで耐久性の処置をする方が望ましいと考えています。昔にトラブルとなった、タイル目地から雨水がタイル裏に浸入し、壁のひび割れ部分から毛細管現象で室内に漏水するといった事象はなくなると思います。今回の実験で分かったこととして、CCB目地のひび割れは概ね貫通していますが、誘発材が内部にあるなど鉄筋量が多いため、ランダムにひび割れた部分よりひび割れ幅が小さくなっています。よって、CCB目地部が弱点になることはないと考えています。
Q16:大手設計事務所の類似記載例(異形鉄筋に防錆処理)について説明して欲しい。
A:異形鉄筋に防錆処理の誘発材を使用するよう設計図書に記載しておいて、特許権については全て施工者で費用負担のことといった片務的な表現が設計図書に記載されていることが散見されるので、受注時点で注意が必要である(業界全体の問題、条件書で対応)。現在は類似記載が確認されるたびに設計者への申し入れを行っています。昔はハット目地(塩ビ製の既製品)を使用していましたのでリビングや洋室の壁の縦方向に幅1mm程度の筋が見えていました、それを回避するため、ひび割れを誘発した目地内に充填できる追従性や圧縮強度の高い目地充填材PRS:ProrousResinSand(ポーラスレジンサンド)を開発できたことで、意匠性の問題は無くなりました。
Q17:設計事務所のメリットは?
A:ひび割れ制御工法について、費用をかけずに事業主に提案できる点です。事業主や設計事務所は賛助会員として登録するだけで、費用は一切かかりません。
Q18:CCB・CCB-NAC工法が設計図書に記載されていた場合、工法協会員以外の施工者が受注した時はどうなるのですか?
A:工法協会内に物件限定会員(ひとつの物件に対してのみ適用)の技術供与の枠組みがありますので、協会員以外はその費用をあらかじめ見込んで入札することになります。
Q19:設計事務所への対応状況は?
A:特許審査が下りる前は、日本建築学会や日本建設業連合会(旧BCS)で積極的に使用して下さいと発表してきた技術ですので、既に図書へ記載されていたものは仕方ありませんので、これからの図書については類似記載を取り下げてもらいました。
Q20:事業主・設計事務所の類似記載への対処法として、DMを送れないか?
A:協会内でコンセンサスが得られれば発送は可能です。2018年3月号の建築技術に広告を掲載し、5月に事業主・設計事務所向けの無料講習会を開催しました。14社、19名の方々にご参加頂きました。
Q1:スパンの長い耐震壁は適用範囲に入っていますか?
A:評価書では、耐震壁のスパン長さは規定していないので、スパンの長短に関わらず使用可能です。
Q2:評価書で構造性能を証明されていますが、目地部のひび割れは貫通している状態であると理解していいのですか?
A:模型試験体を用いた検証実験において、長期的には目地部のひび割れは概ね貫通している状態であることが分かりました。
Q3:適用できるコンクリートの設計基準強度の範囲は?
A:Fc21~48N/mm²の範囲です。
Q4:建物の用途種別による制限はあるのですか?
A:ありません。
Q5:使用できる壁厚の制限はあるのですか?EW16などに使えますか?
A:構造壁厚の下限規定を180mmとしていますが、それ以下の壁厚でも、鉄筋あき寸法やかぶり厚が確保できる場合は、構造耐力上の問題はないと考えられますので、監理者で判断して頂ければ幸いです。
Q6:挿入する鉄筋および固定ジグの結束はどの程度ですか?
A:全結束します。ステンレス線での結束が望ましいです。
Q7:壁縦筋、誘発鉄筋、および目地のセンターのズレの許容値はどれくらいですか?
A:実物件での施工調査から判断すると、20mm程度と考えられます。(正面から直視した際に目地棒が見えない程度の精度)
Q8:誘発材率(誘発鉄筋の量)はどの程度ですか?
A:20%以下の範囲と規定しています。
Q9:壁式構造に適用できるのですか?
A:評価書では付帯フレームが付くものとしています。この付帯フレームとは、壁周辺に柱配筋、梁配筋がされるものであり、壁式構造において同配筋がなされたものであれば適用可能としています。但し、梁側部分にも増し打ちを行い、誘発目地を設けて、シーリング等の耐久性処置の実施をおすすめします。
Q10:ひび割れ誘発材を2本以上入れる場合、それらの間隔に規定はありますか?
A:壁縦筋とひび割れ誘発材、ひび割れ誘発材同士の間隔を均等に割り付けることで所定間隔を確保し、コンクリート打設時に余分な圧力が誘発材にかからないよう、またコンクリートの充填性を阻害しないようにします。
Q11:この工法を使用する場合、再確認申請の必要は無いのですか?
A:実施工物件で複数の設計監理者と協議した結果、再確認申請の必要は無いという見解が得られています。設計性能上も変更は無いので必要は無いと判断しています。なお、厳密に言えば、当初の図書から誘発鉄筋が増えていることになりますので、軽微変更の手続きをお勧めします。
Q12:柱際から1500mm以内で配置する理由は何ですか?
A:壁の隅角部付近は、フレームによる拘束が大きくひび割れが生じやすいためです。
Q13:固定ジグの注文書例にはジグ径の指定がありませんが、なぜですか?
A:ジグ径は原則Φ5ですが、発注の際に壁厚に応じて岡部で適した径を選定します。
Q14:定期的に開催される講習会は、何月ですか?
A:技術供与のための新規講習会は、5月・11月の年2回の開催としています。また、継続講習(5年ごとに更新)は、年1回の開催頻度(11月)で開催しています。
Q15:開口隅角部への対応は?
A:設計図書上の開口補強筋を配筋し、CCB工法の目地を隅角部へ設置します。なお、斜めひび割れの防止策として、φ3.2×50×50mm(大きさ:300×600mm)のワイヤーメッシュ筋補強の併用をお勧めいたします。
Q16:壁がクロス直貼り仕上げの場合の対処法は?
A:目地部の対処法として、ハット目地設置やシール充填、無収縮モルタルやポリマーセメントモルタルの充填(初期収縮完了後)などが考えられますが、建築主や設計者と意匠性に関する協議を行ったうえでの選定をお願いします。なお、有効なクロス仕上げの対処法として、PRS目地充填工法の開発を終えましたので、今後積極的にご活用いただければ幸いです。
Q17:地震時のひび割れ発生に対しても本工法は有効か?
A:地震時のひび割れは適用外であり、あくまで収縮ひび割れの制御が対象です。
Q18:誘発材固定ジグはワンタッチか?
A:ワンタッチ固定ではありません。結束線で確実に固定願います。
Q19:固定ジグに対して、岡部の工場で防錆処理できませんか?
A:工場塗装の場合は非常にコストが上がります。どうしても必要な場合は、現場での防錆処理をお願いします。
Q20:ひび割れ誘発材は塗装や錆止め処理をしなくていいのですか?
A:ひび割れ誘発材としてコンクリートとの付着性能を期待した異形鉄筋を使用していますので、塗装や錆止め処理は不要です。なお、耐久性上の処理として、目地部はシーリング材の充填(外部は必須)をお願いします。
Q21:ある設計図書において、異形鉄筋のひび割れ誘発材を塗装や防錆処理をした類似記載がありますが、その場合どうすればよいですか?
A:塗装や防錆処理をした異形鉄筋のひび割れ誘発材を用いて施工した場合、品質および構造上の性能が担保されていない建物の構築となります。また、当該記載および当該記載に基づく施工は、特許権に関する問題(設計者と施工者が対象)となる可能性があります。一方、ひび割れ誘発材に棒状鋼材(異形鉄筋、丸鋼、角鋼など)を用いたものが対象となります。なお、類似記載が確認された場合は、各社担当者もしくは工法協会まで速やかにお知らせ願います。
Q22:ひび割れ誘発材の制限は?
A:ひび割れ誘発材は、作業所内に存在するものの使用を前提としているため、径や本数の制限を定めていませんが、原則は壁縦筋より太径のものとし、鉄筋のあきが確保できるように検討して下さい。なお、同じ非コンクリート率(総断面欠損率)が確保できれば、ひび割れ誘導効果は同等と考えています。
Q23:非コンクリート率はどの程度がよいか?
A:協会では、25~30%の範囲を推奨しています。
Q24:ひび割れ誘導率の求め方は?
A:ひび割れ誘導率(%)=(目地総数-目地を外れた本数)/目地総数×100
非コンクリート率(総断面欠損率)を25~30%程度確保することで、90~95%の高い確率で目地内にひび割れを誘導できます。
Q25:講習会資料はHP上に掲載されていますか?
A:協会HPの各種資料に掲載していますので各社幹事までお問い合せください。
Q26:目地位置と壁縦筋およびひび割れ誘発材の位置を合わす方法は?
A:目地位置は配筋ピッチを考慮のうえ計画し、目地位置から壁縦筋を割り振るよう鉄筋工にあらかじめ指導して下さい。なお、目地位置を考慮せずに配筋し、目地付近に壁縦筋が近接した場合は、その部分にひび割れを誘発してしまうことがあります。
Q27:壁縦筋はあき重ね継ぎ手なので、正確な位置あわせは難しいのではありませんか?
A:なるべく継ぐ方の縦筋のセンターを目地位置にくるように配筋してください。
Q28:幅止め筋を固定ジグの代わりに利用できませんか?
A:本工法の開発初期の段階で幅止め筋を用いていましたが、位置の固定度が芳しくなく、ひび割れが目地内に発生する確率が低くなる(ひび割れ誘導率70%)ことがありました。このような経緯から、現在では協会が指定する固定ジク(岡部製)を使用することを必須条件として規定しました。
Q29:壁厚の最大値はどの程度までですか?
A:壁厚に関しての規定はありません。これまでの実績としては、ゴミ焼却場で1,200mmの厚みの壁に適用し、ひび割れを制御しました。
Q30:仕様書のデータはダウンロードできますか?
A:協会員各社の幹事(担当者)であれば、CCB工法協会HPからダウンロードできます。
Q31:設計が終了している物件で、CCB工法を採用することはできますか?
A:監理者に対して評価書を用いて説明を行い、採用されるケースがほとんどです。構造体としての仕様の変更、再設計の必要は無いので受け入れられやすいと考えられます。
Q32:壁表面に切欠き目地が無くてもひび割れは誘発されますか?
A:非コンクリート率を所定の範囲まで上げれば、ひび割れの誘導は可能です。ただし、切欠き目地がない場合は見栄えが悪くなるので、必ず設けてもらうようにしています。
Q33:目地内に発生するクラックは貫通していますか?また、目地部の防水処理はどのようにするのですか?
A:模型試験体を用いた検証実験において、長期的には目地部のひび割れは概ね貫通している状態であることが分かりました。外部など防水の必要性があればシーリング材等で防水処理を行って下さい。
Q34:梁形が内蔵された連層耐震壁では、ひび割れ防止用の斜め筋などを併用する場合、鉄筋の納まりが厳しくなりませんか?
A:CCB工法以外のひび割れ防止措置として、ワイヤーメッシュ等を併用してもらうように指導しています。過去の実績から、上記はひび割れ防止効果が在ると判断しています。
Q35:コンクリート強度の適用範囲を外れたら使用できないのですか?
A:強度の低い側では、目地の抵抗機構を鑑みると最小範囲を下回らないようにしていただきたいのですが、強度の高い側については、同様の理由で構造上有利になると考えられますので、60N/mm²程度までであれば、監理者に説明して許諾されれば、使用しても問題は無いものと考えられます。
ただし、ひび割れ抑制の観点からは、壁に高い強度を用いないよう設計願います。
Q36:柱梁を内蔵した壁式構造で適用できますか?
A:構造体としての柱梁フレームが付随していれば、壁厚さとフレーム厚さが同等でも使用が可能と考えています。直近の構造実験で、目地部分の強度、剛性が従来の壁より優れていることを確認していますので、ひび割れによって梁にせん断破壊が生じることは無いと考えられます。
Q37:ハウスメーカーの1次下請けの場合、協会の正会員であってもCCB工法の使用はできないのですか?
A:その通りです。元請け会社が協会員であることが必要です。なお、JVサブの場合もスポンサー会社が協会員であることが必要となります。
Q38:ひび割れ誘発材の長さで注意することは?
A:壁内の床高さが上がっていて上部梁内に定着することが想定されますので、マイナス管理(-3cm程度)をお勧めします。
Q39:斜めひび割れ対策は?
A:最下階壁は地中梁の拘束による斜めひび割れ、最上階壁は温度応力による斜めひび割れの発生が予測されます。そのような部位においては、CCB工法による制御対策に加えて、ワイヤーメッシュ筋(Φ3.2×100×100mm)による補強の併用をお勧めします。なお、メッシュ筋は、目地部には干渉しないように配置します。
Q40:SMW壁など埋め戻しのない地下外壁では、外部側に目地棒が設置できないのですが、どのような処置が必要ですか?
A:CCB目地位置の外部側に止水板(スパンシールなど)の先行設置を行ってください。
Q41:外壁に打継ぎがあった場合、CCB目地位置としてもいいですか?
A:問題はありません。
Q42:セパとの干渉を防ぐには、どの程度離せばいいですか?
A:200mm程度は離してください。
Q43:CCB工法を擁壁や腰壁、パラペット等に使用してもいいですか?
A:評価書の適用範囲から外れますが、CCB工法の考え方を適用していただければ問題ありませんので、監理者と協議願います。現在、土間床、免震擁壁や立駐外壁、RC・S造腰壁などに適用しています。
Q44:ひび割れ誘発材を挿入して制御すると、なぜ最大幅が小さくなるの?
A:ひび割れ分散して本数が増えることで、一本あたりの最大幅が小さくなります。
Q1:CCB-NAC工法は、どんな耐震壁にも適用できるのですか?
A:改定前の評価書においては、せん断破壊型として設計される耐震壁だけに適用できましたが、2016年の改定によって、曲げ降伏型の耐震壁にも適用できることとなり、全ての耐震壁に適用範囲が拡がりました。ただし、無開口の耐震壁に限ります。
Q2:耐震壁以外にも使えるのですか?
A:もちろん、雑壁にも適用可能です。
Q3:構造壁厚の定義と設計時の注意点について教えてください。
A:改定前の評価書においては、許容応力度設計の壁厚は目地底間寸法としていましたが、2016年の改定によって、全ての構造計算過程において構造壁厚を目地底ではなく全壁厚(壁板の厚さ)とすることができるようになりました。汎用の一貫設計プログラムへの入力が容易となり、従来必要であった追加検討が不要となりました。
Q4:誘発材は目地の強度と壁の耐力に対して、どのようなメカニズムで寄与しているのですか?
A:誘発材は異形鉄筋であり、その節によって目地に誘発されたひび割れ部分での目地に沿った方向のずれを押さえることが構造実験で確かめられています。そのため、耐震壁の最大耐力時においても目地に沿った方向のずれが生じることはなく、耐震壁は一体化した状態が保たれます。このような機構によって、耐震壁のコンクリートの圧縮応力の伝達を目地部で妨げることがなくなるため、耐震壁の耐力は目地の無い耐震壁と同等以上になります。
Q5:CCB-NAC工法について、NAC工法研究会の12社以外が使用することは可能ですか?
A:工法協会の枠組みとして、技術供与できる体制を整えています。事業主・設計監理者等は、工法協会へ入会(賛助会員)することで使用できます。施工者は、工法協会に入会し、NAC工法研究会(正・限定会員)に所属することで使用できます。詳しくは「入会案内」を参照願います。
Q6:CCB-NAC工法の技術者認定は?
A:今後、CCB工法施工管理技術者認定講習会の中で技術供与していきます。なお、これまでに講習会を受講された方に対しては、5年目の更新研修の中で技術供与しています。
Q7:かぶり厚さの確保は?
A:目地底より規定厚を確保します。
Q8:固定ジグのかぶり厚は?
A:仕上げのある場合または固定ジグに防錆処理を行う、もしくは目地にシーリングを施す場合で20mm以上、仕上げのない場合で30mm以上を確保してください。
Q9:横筋用の固定ジグはありますか?
A:厚みが薄い壁(EW18~EW20)用として、横筋用の固定ジグがあります。縦筋用と同様、岡部で購入できます。
Q10:CCB工法の更新バージョンのCCB-NAC工法がある事を知りました。WEBでリーフレットを見たのですが、等価断面剛性の図とせん断耐力の相関性が少し理解できません。なぜ、鉄筋(縦方向)を入れると、面内のせん断耐力が補強されるのですか?
A:等価断面剛性についてはWEBのリーフレットでは説明されていませんので、日本建築総合試験所での技術認証の資料(図1-7、図1-8)で説明しています。
ここでは、CCB-NAC工法を用いても目地の強度が低下しないことについて説明しております。耐震壁のせん断強度は、壁の圧縮強度に依存することが前提になっております。トラス機構とかアーチ機構と説明している部分(図1-3)がそれになります。そのような考えから、目地部の圧縮強度の低下が無ければ、壁のせん断強度も低下しないものとしております。CCB-NAC工法では誘発鉄筋を入れているため、鉄が入っている分、コンクリートが切りかかれていても目地部での等価断面積比は高くなります。それは、鉛直方向、水平方向の圧縮力に対しても同様です。等価断面積比は圧縮剛性の比率にもなりますので、数値が高いほど圧縮剛性が高くなります。同時に、圧縮強度も高くなると考えられます。従来の切り欠き目地だけのものであれば、無垢の壁(目地無し)より等価断面積比が小さくなりますが、資料の図を見れば分かりますように、誘発材率を5%以上にすればいずれの場合もCCB-NAC工法を用いた壁の目地の等価断面積比は無垢の壁の2倍以上になります。このような理由からCCB-NAC工法を用いた壁は、無垢の壁と比較してせん断強度低下はないと考えられるとしております。もともとCCB-NAC工法(旧技術認証:改定前)でも耐力低下はないことを説明していましたが、せん断破壊型の壁のみの適用になっておりました。2016年の改定でCCB-NAC工法が曲げ破壊型の壁にも適用できるようになりましたので、概ねすべての耐震壁に適用できます。
Q11:今後はCCB工法とCCB-NAC工法を選択して使用するのですか?
A:無開口壁の場合はCCB-NAC工法(増し打ちなし)、有開口壁の場合はCCB工法(増し打ち有り)といった使い分けを行ってください。
Q12:壁と梁が同断面の場合は?
A:CCB工法と同様、柱梁で囲まれた付帯ラーメン内であれば問題ありません。しかし、同断面の場合は壁を誘発した時に梁にもひび割れが生じるため、梁側を増し打ちするなどして目地を設けて、その部分で耐久性の処置をすることが必要です。
Q13:曲げ壁も適用範囲となったので、地下壁に適用しても大丈夫ですか?
A:曲げ壁とは面内方向の曲げに対する検証を行っています。地下壁は必然的に増し打ちがありますので、従来のCCB工法での適用が可能です。
Q14:ひび割れの生じやすい建物端部や最上階・最下階でのひび割れ誘導率はどの程度ですか?
A:建物端部や最上階・最下階に対しては、ワイヤーメッシュ(φ3.2×100×100mm、2×1m)を併用して対応しています。その部位も含めてのひび割れ誘導率を示しており、その部位が特に目地から外れているという傾向はありません。
Q15:CCB-NAC工法で全壁厚を見込んでよいとのことだが、目地部の耐久性(中性化による誘発鉄筋の錆びなど)についてどのようにお考えですか?
A:CCB-NAC工法の適用部位は、戸境壁(無開口)などの内壁をターゲットとしており、目地底で最小かぶり厚さ以上を確保し必要に応じてシーリングなどの処理を行います。
Q16:固定ジグのかぶり厚の規定は?
A:評価書上で、仕上げのある場合などは20mm以上と規定しています。
Q17:EW18で壁縦筋が外側の事例について説明して下さい。
A:壁厚が小さい場合は鉄筋のあきが確保できないため、目地の両側100mm位置に壁用スペーサーを設置することで、目地底のかぶり厚30mmとすることを工事監理者に説明し、了承を得て施工を実施しました。現在においては、縦筋位置を外して誘発材を設置する方法(横筋用ジグ)を採用しています。
Q18:誘発材率7.5%以上~20%以下、総断面欠損率25%以上~48%以下、どちらがクリティカルな規定ですか?
A:どちらの規定値も満足してください。この値は、今回の実験で確認した範囲となります。
Q19:壁横筋にかける固定ジグはあるのですか?
A:横筋用の固定ジグを販売しています。CCB・CCB-NAC工法仕様書に標準図を示します。なお、縦筋位置を外した位置にすると総断面欠損率を確保するための誘発材径が大きくなってしまいますので、経済的にはできる限り縦筋位置にすることをお勧めします。
Q20:壁縦筋・横筋の内外については、どちらでもいいのですか?
A:どちらでもけっこうです。適用範囲から外れることはありません。
Q21:CCB-NAC工法のNETIS登録予定は?
A:申請前に確認しましたところ、類似工法の両方を登録することができないとの指導でしたので、汎用性の高いCCB工法で登録しました。なお、CCB-NAC工法はCCB工法の中に分類されます。(CCB工法とは:図参照)
Q22:CCB-NAC工法を採用できた経緯は?
A:設計に折込めるよう、事前に事業主・設計事務所に工法説明を行うことで、了承を得ました。2016年の改定によって設計法が変わらなくなったことで、施工中の物件にも適用が可能となります。なお、誘発材が増えていることになりますので、設計監理者と協議のうえで軽微変更などの手続きが必要となります。
Q23:適用範囲が無開口壁に限るとなっていますが、雑壁にも使用できるのですか?また、CCB工法はパラペット等への使用も可ですか?
A:CCB-NAC工法は雑壁であっても無開口壁であれば使用できます。パラペット等は外部で増し打ちもあるため、従来のCCB工法で対応可能です。
Q24:公共建築工事仕様書で構造断面が0未満は駄目となっているが、目地部がどのような扱いになるのか?そのような優先図書の場合は扱いには気をつけたほうがいいのでは?
A:目地欠損による耐力低下を誘発材による耐力向上で補うという評価内容ですので、見かけ上は欠損していますが耐力が上回っていますので理解いただけると考えています。今後、仕様書の扱いについて検討します。
Q25:岡部の工場はどこですか?
A:現在は枚方工場から全国発送していますが、今後は関東工場で製作する予定です。
Q1:プレパック1セットで何mの目地に施工できますか?
A:幅20mm×深さ10mmの目地で約0.6mの施工が可能です。
Q2:PRS施工用の道具はどこで入手可能ですか?
A:すべての道具をキット品として、工法協会より購入可能です。
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